イザナミ×エクセル活用術?標準偏差を計算する(2)
今回は前回に続き標準偏差を使って分析をする方法を紹介していきます。
まずは前回のまとめから。
?イザナミで条件を入れてバックテストをしてみる
?シグナルが出たもののテクニカル指標を計算する
?データをエクセルに入れて標準偏差を計算する
以上の手順を踏んで、標準偏差が小さくなったら、
・バックテストに使った条件と計算した指標に共通点が多いのかも
・もともと2つの指標の計算方法が似ているのかも
・その2つの指標をどちらもバックテストに組み込むと、
過剰最適化の可能性が高くなる
ということをお話ししました。
今回は標準偏差が小さくなるもう一つのあり得る理由をお話しします。
それは、ずばり”値動きの傾向”です。
一見してあまり関連がないような指標同士で
標準偏差が小さくなったら、
そこには値動きの傾向が隠れていることが多いです。
例えば、バックテストに「出来高上昇率」を使って一つだけ条件
をいれたとします。
そしてシグナルが出た銘柄の移動平均乖離率のデータをいれて
みたら、それらの数字が−10付近でまとまっていた(標準偏差7~10くらい)とします。
ここからわかるのは、その「出来高の条件」に当てはまる銘柄は、
「移動平均乖離率が−10付近であることが多い」ということです。
ここで重要なのは、その出来高の条件と移動平均乖離率には
直接的な関連がないということです。
その「出来高の条件」に当てはまる銘柄の移動平均乖離率が、
たとえ10であっても20であっても不思議ではないのです。
しかし、なぜかそれが−10付近であることが多いのです。
このことは、「株にはそういう傾向がある」と結論付けられます。
「そのような出来高の動きをした銘柄は下がっていることが多い」
という傾向です。
このようなものを見つけたら、ぜひノートにでも書き留めて
置くとよいと思います。言葉ではなくグラフで、です。
(後でわかりやすい&いろいろな傾向を頭の中でつなげやすいため)
たとえば先ほどの出来高の条件が「山なりに出来高が推移」
だったとします。※あくまで例です
それを図1のようにして書いておきます。
これが一つの基準となるのです。
たとえば、出来高が山なりに推移しているのにあまり
下がっていない銘柄は、多くの銘柄とは違う理由で
出来高が動いている、ということです。
割安株が本来の価値に戻って安定してきたから
そうなったのかもしれませんし、ほかにも様々な理由が考えられます。
一つ言えるのは、そのような銘柄は私たちが普段相手にしている
値動きとは若干違うものになることが多い、ということです。
基準を見つけたら、そこから外れている銘柄を探してみるとよいです。
もしかしたら、皆さんの持っているストラテジーの
負けた取引の裏にも、このような”基準から外れた銘柄”が
ごろごろしているかもしれません。
まとめますと、
?バックテストの条件と関連のなさそうな指標の標準偏差が
小さくなった
↓
?「バックテストの条件に当てはまる銘柄は、
その指標がある値を取りやすい」という傾向がある!
↓
?その傾向から外れた銘柄には、普段扱っている銘柄とは
違う(もしくは普段扱っている銘柄の中では珍しい)
理由の値動きがある
↓
?その傾向から外れた銘柄を使っているストラテジーでチェック
↓
?それのおかげで損をしていたら以降その傾向を考えるようにする
※傾向から外れる理由を挙げられるだけ考えておき、
その銘柄のニュースなどをチェックしてみるのがお勧めです。
共通点が見つかれば、偶然ではない可能性が高くなり、
以降その類の銘柄を避けられます。
以上、”イザナミ×エクセル活用術-標準偏差を計算する”でした。
長話にお付き合いくださり、ありがとうございました!
何かわからない点などございましたらお気軽にお問い合わせください。
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