総資金と市場投入資金について
最適分散投資の設定で、
「総資金」と「市場投入資金」という2つの項目があります。
たとえばですが、
・総資金: 5000千円(500万)
・市場投入資金: 5000千円(500万)(もしくは100%)
のように設定されている箇所ですね。
「総資金と市場投入資金は必ず同じ金額にしなければならないか?」
という観点ですと、
「決してそんなことはない」
という結論にはなるかと思います。
総資金と市場投入資金の2つがあるのは、
「予備資金」
を設定するのに必要なため、
と思っていたりしますね〜。
たとえばですが、
(A)総資金500万、市場投入資金500万
という設定の場合、
予備資金は0円ということになります。
この際に、
運用開始初日にたとえば−50万のDDが発生したとします。
上記設定の場合予備の資金がないため、
−50万のDD分を埋めることができないので、
翌日の市場投入資金は450万円になってしまう、
ということですね。
500万が450万になってしまいますと、
当然仕掛けた際のパワーも落ちてしまいますので、
50万のDDを回復させるためには結構時間がかかってしまいます。
つまり上記のような予備資金を設けないやり方は、
「序盤の運用結果の影響が非常に大きくなるやり方」
とは言えるかもしれません。
ただ一方、メリットを挙げるとすれば、
レバレッジ1倍という前提ですと、
「500万以上は負けない設定」
という点ですね。
一方、
「50万のDDは許容しよう」
というスタイルの場合、
(B)総資金550万、市場投入資金500万
というように設定する方法もあります。
この設定方法の場合何か違うかといいますと、
「資金が500万を切るまでは、市場投入資金が500万のまま」
という点ですね。
つまり、
序盤勝っても負けても、
しばらくはパワーが一定になる設定となります。
そのため、
同じ50万を取り返す速度も、
こちらの設定の方が早くなります。
デメリットを挙げるとすれば、
(B)の方は最大550万負ける可能性がある設定ということですね。
個人的に(A)と(B)のどちらが好きか?
という観点ですと、
…実は(B)の方がだいぶ好みです(ぇ
といいますのも、
個人的には「余力」という概念を非常に大事にしますので、
予備資金もある意味余力の一要素であり、
無視はできないと考えているからですね。
最初DDで始まり、
その後リバウンドをきっちり取っても元本が回復しないようなケースの場合、
ポートフォリオ全体で(A)のパターンを採用していないかどうか?
のチェックが必要だと思います。
あと注意点としましては、
「(B)の方が通算利益率が小さく見える」
という点ですね。
たとえばですが、
上記戦略のバックテストの損益が+1500万だったとします。
(A)の場合、
総資金が500万ですので利益率は
1500÷500×100=+300%
となります。
一方(B)の方は、
総資金が550万となりますので、利益率は
1500÷550×100=+272%
という計算になります。
利益率は総資金に対して計算するため、
「総資金が大きいほど利益率が小さく見えるのは必然」
ということにはなってきますが、
結論的には、
「(A)も(B)も損益は+1500万で同じ」
という点を重視した方がいいかもしれません。
通算利益率は落ちて見えるものの、
トータル的な(バックテスト結果の)収支は一緒、
ということですね。
(※注:フォワードでは差が出ます。)
その上で、
「序盤勝ちで始まったか負けで始まったかという、運用開始時期の影響を軽減できる」
という観点を考えますと、
個人的には(B)の方が優秀ではないか?
と思っていたりします。
また、
(B)の設定を採用する場合には、
市場投入資金を%ではなく、
「5000千円」
などと設定した方が直感的だと思っています。
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