一戦略単位だと資産曲線を安定させるのが難しい?
たとえばですが、買い戦略を開発する際には多くの方が
「2000年以降の資産曲線を全年度一定の傾きにする」
ということを目指されるのではないかと推測します。
これはもちろん、私自身もそうです(ぇ
もし全年度右肩上がりの買い戦略Aが出来上がったとしますと、
「だとすると、ポートフォリオに入れるのは買い戦略Aだけで、あとは必要ないのではないか?」
というアイデアも浮かんでくる場合があると思います。
これはこれでもちろん一案だとは思っておりまして、
その戦略のフォワードが優秀なのであれば実はそういう結論も十分ありだと思っております(ぇ
ただ、ここで問題となってくるのが4点あるとは思っておりまして、
(1)その戦略のフォワードはしばらく経ってみないと分からない
(2)また、買いは上昇トレンドを得意とし、売りは下落トレンドを得意とする点には差がない
(3)さらには、1つの戦略の場合、ある程度のDD期間を許容しなければならない
(4)ロジック内容的に、将来的にもし資金が大きくなった場合に1つの戦略だけで回せるかどうかを考慮しなければならない
といった点がネックになってくるとは思っていたりします。
正直なところ、私の場合ですと「この戦略は絶対!」という過信は避ける傾向にありまして、
やはり今までの経験上「相場では何が起きるか分からない」という考え方が念頭にあります苦笑
シストレ戦略ではもちろん過去に期待値が高かった箇所でのシグナルを抽出する形ですので、
もちろん過去に通用したロジックであるのは間違いないとは思います。
ただ一方、それが将来的に通用するかどうか?というお話になりますとまた別問題ですし、
そもそも誰にも未来は読めませんので、
このあたりはやはりリスクマネージメントをしつつバランスを探っていく、というのが根本的なスタイルにはなっていくと思います苦笑
その中で最も根本的な部分と言える点が、
(2)の「買いは上昇トレンドを得意とし、売りは下落トレンドを得意とする点には差がない」という点です。
もちろん買いのみで2008年のような相場を勝てればベストとはいえますが、
2008年の相場を実際目の前にした場合、
「果たして買いのみで勝てるのか?」
と考えますと、実際のところなかなか難しいとは思います苦笑
もちろんこれは不可能とも言えないお話でして、
現にB・N・F氏などは買いのみで勝っているようですし、
またシストレ戦略でもシグナル数フィルターがうまく活用された戦略の場合などには買いのみでも十分プラスになる可能性はあります。
上記の例もありつつも、
たとえば2008年のような相場ですと、
値上がり:500銘柄 値下がり:2500銘柄
といった感じになりやすいもので、
この際に普通の理屈で考えますと、500銘柄を引くよりは2500銘柄を引く方がはるかに簡単そうです笑
こういった観点から考えますと、
買いのみや売りのみで勝てないことはもちろんないと思いますが、
「たとえば買い1戦略の場合、2008年のような長い苦手時期(DD時期)を許容する必要性が生じる」
という点が言えるかもしれません。
2008年を乗り越えられれば2009年には反発しましたため、
そのロジックが有効なものであれば回復はしただろうと考えられますが、
1戦略だけですと、長期のDDに耐えなければならない可能性が高いという点があるとは言えるかもしれませんね〜。
(※注:これはもちろん絶対ではありません。1戦略単位でもDDがない戦略もきっとあると思いますし、あくまで確率が低いというだけです汗 また、2008年のような相場で自動的にシグナル数が減少・または停止するようなロジックも優秀だとは考えます。)
上記から考えますと、
1戦略だけで完璧な曲線を目指すよりも、
買いと売りなど複数の戦略を複数売買ルールで一体化し、
その上で完璧な曲線を目指した方が安定感は高いと思いますし、
また買いの苦手相場は売りで補い、
売りの苦手相場は買いで補うと考えますと、
たとえば買いで全年度一直線のグラフを目指す必要はなくなるともいえます。
こういった点からは過剰最適化を避ける考え方とも言えますし、
1つの有効なアイデアとは言えるのかもしれない、とは思っております笑
…ただ、これはあくまで1つの考え方でして、絶対と言えるものでもないです苦笑
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