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複数売買ルールの作り方(9)

トレシズ複数売買ルール

■複数売買ルールの作り方(9)正常に移植できたかどうかチェックする

ようやくですが複数売買ルールのバックテストファイル完成は間近です笑

ここまで来たら、ひとまずは最初に上部「設定の保存」を押して、デスクトップなどに複数売買ルールのバックテストファイルを保存しておくといいと思います。

そしてあとは最終チェック作業で、

「正しく設定できたかどうか」

を確認するという、なかなか地味な作業になります苦笑

時々ユーザー様からメールをいただくのですが、

「一応自分でも複数売買ルールを作ることはできるが、正しく設定されているかどうかが不安」

という内容をいただく場合があります。

これは私の場合は意外とシンプルな方法で確認しておりまして、

・売り戦略B単体のバックテスト結果:結果概要表示の期待値
・複数売買ルールの売り戦略Bのバックテスト結果:結果概要表示の期待値

の2つを比較しまして、

「ほぼ一致していれば正しく、かなり違った値になっていればミス」

という、結構アバウトな判断です苦笑

期待値がほぼ一致してれば、私自身の経験上、正しく設定できている場合がほとんどですね〜。

■個人的な正しく移植できたかどうかを確認する方法

(1)まずは、複数売買ルールの設定を入念に確認します。これは目視により、売買ルール・相場情報・ランキング情報・ユーザー定義指標・環境データなどの設定値が、移植しようとしている戦略の設定値と一致しているかどうかを地味に3往復ぐらい確認します苦笑
地味なようですが、この時点でミスに気付く場合もあり、結構重要な作業ですね〜。
 ↓
(2)今回の例ですと売り戦略Bを移植しましたので、まずは売り戦略B単体を開き、バックテストした後、期待値や年度別期待値などをメモしておきます。実際のところ、私の場合には別PCで結果を開いています。
 ↓
(3)次に複数売買ルールを開き、こちらもバックテストします。この際に、今は売り戦略Bの設定をチェックしますので、買い戦略Aのバックテストは必要ありません。

こういった際には、「売買ルールを作る」の買い戦略Aの左のチェックボックスを外しておくと検証速度がアップします。検証速度に大きな影響があるのは

・売買ルール
・ランキング情報

の2つの場合が多いですので、確認の必要がない戦略の、左横のチェックボックスは外して検証するといいと思います。
 ↓
(4)複数売買ルールの売り戦略Bの結果概要表示の期待値を確認し、売り戦略B単体の結果と比較します。期待値や年度毎期待値がほぼ似たような値になっていれば設定ミスはない可能性が高いと思います。

逆に、売り戦略B単体の期待値が1.5%なのに、複数売買ルールの売り戦略Bの期待値が−0.5%といった感じで明らかに異なる場合は、まず間違いなく設定ミスだと思います。この際には、上記(1)の手順に戻って目視で確認するといいと思います。

あとは、

バックテスト側:全市場全銘柄
最適分散投資側:貸借銘柄

といった感じで最適分散投資側で貸借銘柄に限定している売り戦略の場合、
複数売買ルールに移植しますと見た目上、バックテスト段階の期待値が落ちます。
これはなぜかといいますと、複数売買ルールではバックテスト側で貸借銘柄に絞り込むためですね〜。
全市場全銘柄でバックテストした場合と、貸借銘柄でバックテストした場合とでは結果が異なるのは必然なためです。

多くの場合は貸借銘柄でバックテストしますと、全市場全銘柄でバックテストした場合よりもバックテスト段階の期待値が多少落ちますが、これはこういったものとお考えいただくのが無難だと思います。上記のような例では売り戦略B単体よりも複数売買ルールの売り戦略Bの期待値が落ちますが、これは設定ミスではないとお考えください。

また、これは性能が落ちているわけでも何でもなく、全市場全銘柄を対象としてバックテストした方が、貸借銘柄を対象としてバックテストした場合よりもバックテスト段階の期待値が上がって見えるというだけのお話です。
いずれにしろ最適分散投資側ではどちらの場合でも対象は貸借銘柄となりますので、最適分散投資後の期待値には差がありません。

上記のような感じで、複数売買ルールのバックテストファイル設定は完了です笑

忘れずにデスクトップに複数売買ルールを保存しておいてください。

以下に、よくある設定ミスを書かせていただきたいと思います。

■バックテスト結果が0となってしまう場合

・環境データ(NYダウ等)の読み込みミス

NYダウが使われた戦略の場合にはNYダウのファイルを読み込む必要があります。
バックテスト結果が0となる理由の大半がNYダウCSVを読み込んでいない場合ですので、十分にご確認ください。

・仕掛け条件や手仕舞い条件の、矢印が抜けている場合

パレットを矢印でつなぐのを忘れたり、最後の「執行」などを入れ忘れたりしますとバックテスト結果が0となってしまう場合がありますのでご注意ください。

・イザナミの最新バージョンをダウンロードしていない場合

たとえばですが、ゴッドブレス2では現時点のイザナミの最新バージョンである2.1.04から搭載された指標を使っておりますため、2.1.03以前で検証しようとしますとバックテスト結果が0となってしまいます。イザナミのバージョンアップ状況も常に確認されておくといいかもしれません。

■個人的によくやるミス

・売り戦略なのに、仕掛け条件で「買いを仕掛ける」にしてしまっている場合
・ランキングの優先方向の「大きい順」と「小さい順」を間違えている場合
・株価制限や売買代金制限の設定忘れ
・矢印の青と赤を間違える

このあたりは私も10回に1回はミスしまして、何度かバックテストをしたり目視をしたりして直します苦笑

そのため、地味ですが目視が結構効果的ではないかと思っていますね〜。

重要なのはとにかく、

・売り戦略B
・複数売買ルールの売り戦略B

この2つを全く同じ設定にするということです。

複数売買ルールの作り方(9)(1)

複数売買ルールの作り方(9)(2)

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