システムトレードブログ

保有日数を長くするカスタマイズにつきまして

トレシズカスタマイズ方法

ユーザー様より時々お問い合わせをいただきます内容に、

「戦略の保有日数を長くしても大丈夫なものですか?」

というものがあります。

これはおそらくですが、もちろん短期トレードより中期トレードを好まれるためという理由もあるかもしれませんし、

「上昇トレンドなどでは、短期で手仕舞わずにトレンドが続いている限り引っ張ったほうが利益がでるのでは?」

という思惑もあるかもしれないと推測します笑

まずは、ヒノカグ【上方ブレイク】のスイング版標準ファイルの結果と、10日の中期保有にした結果が以下の通りです。

■ヒノカグ【上方ブレイク】の標準ファイルの成績

・通常相場用ロジック
期待値: 1.37%
平均保有期間: 2.00日
2008年の期待値: 0.81%
2013年の期待値: 1.58%

・弱相場用ロジック
期待値: 1.02%
平均保有期間: 2.00日
2008年の期待値: 0.05%
2013年の期待値: −0.46%

・資金150万標準ファイルにおける最適分散投資後の成績
総取引回数: 2870回
平均保有期間: 2.00日
勝率: 58.01%
期待値: 2.08%
通算利益率: 1438.88%
年度別の最大DD: 22.40%(2013年)
総資金を1億に変更した際の年度別の最大DD(円): 80.3万(2013年)

■ヒノカグ【上方ブレイク】の手仕舞いを建値からの固定幅ブレイク(±5%)にした場合(±5%の損益で手仕舞い・保有日数上限は10日)

・通常相場用ロジック
期待値: 1.27%
平均保有期間: 4.85日
2008年の期待値: −0.04%
2013年の期待値: 2.71%

・弱相場用ロジック
期待値: 0.85%
平均保有期間: 5.06日
2008年の期待値: −1.02%
2013年の期待値: 0.19%

・資金150万標準ファイルにおける最適分散投資後の成績
総取引回数: 1968回
平均保有期間: 4.01日
勝率: 53.46%
期待値: 2.51%
通算利益率: 1187.56%
年度別の最大DD: 41.00%(2009年)
総資金を1億に変更した際の年度別の最大DD(円): 266.5万(2007年)

まず上記を比較した上で顕著な差は、
・短期の方が総取引回数が多い
・短期の方が最大DDが小さい
・短期の方が勝率が高い
・短期の方が地合から受ける影響が小さい
・長期の方が期待値が高い
という感じでしょうか。

ヒノカグ【上方ブレイク】の場合ですと、明らかに短期に向いた手法であり、中長期にはあまり向かない手法であるとは思います苦笑

まず、なぜ上記例ですと通算利益率が短期の方が上回っているのかといいますと、

シストレ戦略の能力は基本的には

「総取引回数×期待値」

で表現されるとは思いますが、

短期の方が回転率が高いため総取引回数を稼げるためですね〜。

要するに短期の場合ですと毎日何かしらの銘柄にシグナルが出る感じとなりますので総取引回数が増えますが、

中期の場合ですと手仕舞い条件にヒットしない限りは銘柄を保有し続けるため、日々の余力が0に近い日も多いので毎日は仕掛けられないためですね。

ただ一方、中期は総取引回数が減るのは必然にしても、

上記公式の「期待値」側が大幅に増えれば短期と遜色ないパフォーマンスを出せる可能性もあると考えられます。

ここで考えなければならないのが1点、

「シストレでは、中長期の検証は難しい」

という点ですね〜苦笑

といいますのも、シストレの障壁の1つであるカーブフィッティングに該当しないかどうかを調べるためにはやはり「総取引回数の多さ」が1つの要素となってきますが、

「戦略を中長期にカスタマイズする=総取引回数を減らす=過剰最適化の可能性が増す」

ということにもつながりかねませんので、結構注意が必要だとは思いますし、

また私の場合でも、短期戦略を中長期戦略にカスタマイズするのはかなり難しいです苦笑

他の理由としては、

「保有日数が長い戦略ほど保有銘柄から受ける影響が大きくなってしまう」

という点があるかもしれません。

たとえばデイトレード戦略ですとその日のうちに手仕舞いですので余力は常にほぼMAXとは考えられますので、

検証期間の左側の日付を変更しても、最終日シグナルにはそんなに変化がないかもしれません。

一方、中長期戦略ですと、検証期間の左側の日付を変更すると最終日シグナルが大幅に変わります汗

たとえばですが、資金200万の中長期戦略を9/2に開始したとしまして、

9/2に銘柄A・銘柄B・銘柄C・銘柄D・銘柄Eに合計200万仕掛けたとします。

この場合ですと、9/3の段階では余力が0なので最終日シグナルはなしとなります。

一方9/3に開始したとしますと、余力は200万ありますので、

9/3の最終日シグナルは銘柄F・銘柄G・銘柄H・銘柄I・銘柄Jといった感じになるかもしれません。

上記のように開始日が異なるだけでも保有銘柄がガラッと変わってしまう場合がありますので、

中長期戦略は非常に検証が難しい、という側面もあります苦笑

そのため、中長期戦略にカスタマイズした際に、資金150万ファイルなどできれいな資産曲線になったとしましても、

個人的には、この時点では安心できないものと考えます(ぇ

こういった際に私の場合ですとどう検証するかといいますと、

(1)最適分散投資の優先順を変更しても同じような資産曲線になるかを調べる(もちろん、優先順逆順などといった戦略コンセプトに反する優先順ではなく、似たような指標で他のものを使ったり、集計日数を変えたりというレベルです。)
(2)最適分散投資側の資金を1億などにして検証し、資産曲線の形や年度毎の最大DDを調べる

といった感じかもしれませんね〜。

(1)の方の意味は、「優先順を変えて日々の保有銘柄を変えても、同じような曲線になるか?」を確認するためのものです。

(2)の方は、「全シグナルに仕掛けたと仮定して、年度毎のイメージや、どの程度の荒さになるか?」を確認するためのものです。

上記ヒノカグ【上方ブレイク】の例ですと、

標準ファイル側を資金1億にした場合のDD80.3万に対しまして、

中期カスタマイズはDD266.5万と、

かなり荒くなるのは間違いないとは言えそうです苦笑

とはいえ、資産曲線の形そのものは大差ないため、まったく無効とは言えないかもしれません。

このような感じで、保有日数を伸ばすカスタマイズは、

・カーブフィッティングの検証が難しい
・低資金ファイルで資産曲線が安定していたとしても、まだ安心できない
・地合から受ける影響が短期に比べてだいぶ大きい

などとデメリットの方が多いため、個人的には避ける傾向にあります汗

とはいえ、中長期が勝てないというわけではなく、

株の基本はやはり「損小利大」とはいえますので、

中長期の場合ですとトレード毎勝率は10%ぐらいになるかもしれませんが、

それでも「1トレードあたりの損失を小さくし、とれるところをできるだけ引っ張って大きくとる」という手法であれば、

普通に勝てるとは思っています笑

そのため、このあたりはお好みに応じてとは言えるかもしれませんね〜。

ただシストレ的な観点から言いますと、

中長期戦略を開発するのはかなり難易度が高い、とは思っています苦笑

中長期戦略はDDが大きくなりがちなので、短期戦略以上に日々の仕掛け分量や余力配分など、リスクマネージメント要素が多く求められるためかもしれません。

■あなたの資金量では破産する
http://ameblo.jp/mdrs1/

シバイチ様のブログでたびたびご紹介いただき恐縮です、

毎回楽しみに拝見させていただいております笑

シバイチ様、ニッパー様といいさすがの更新頻度で見習わせていただきたいところですし、

あと正直個人的には、ブログ更新を停止されている方が戻ってくるような地合回復を祈っていたりします笑

nekura様のブログも非常にリアルで、興味深く拝見させていただいております笑

nekuraのシストレ&いろいろ帳簿
http://trade.nekura.boo.jp/

■一時はどうなることかと思いましたが、やはり継続って大事
http://izato.livedoor.biz/archives/31533236.html

まさに、という感じだと思います笑

イザナミ開発元大内様も、ぶれない方針というのがやはりさすがだと思いますね〜。

トレシズの「カスタマイズ方法」の記事

前々記事:スイングキュルは最適分散投資ファイルで劇的に変わる?
前の記事:ヒノカグ【上方ブレイク】のカスタマイズ方法(4)
今の記事:保有日数を長くするカスタマイズにつきまして
次の記事:総資金を増減させる際の最適分散投資ファイルの調整方法
次々記事:ゴッドブレス2のカスタマイズ方法(2)

おすすめ記事

ポートフォリオバランスでカスタマイズを考える

私の場合ですと、1個のロジックを戦略、そして戦略の集合体をポートフォリオと呼んで…

続・スイングキュル2LUとスイングキュル2LBのカスタマイズ方法

ユーザー様からお問い合わせをいただきまして、「スイングキュル2LUとスイングキュル…

> このページのURLをPCメールアドレスに送る