複数の戦略を使い分ける意味は？

ユーザー様よりお問い合わせをいただきまして、

戦略A：リスク100　リターン100
戦略B：リスク200　リターン50

という2戦略があった場合、戦略Aだけを使った方が得策ではないのでしょうか？

というご質問をいただきましたので、

このあたりに関して個人的な考えを書かせていただければと思います。

あくまで個人的な考えというだけですので、

必ずしも正しいわけではない点をご了承ください汗

まず私自身のスタイルとしましては、

多元複利運用というスタイルを採用しておりまして、

戦略A： 150万　バックテスト結果超優秀
戦略B： 150万　バックテスト結果優秀
戦略C： 150万　バックテスト結果並

といった感じで、

「複数戦略を使い、かつ各戦略の資金を完全に独立させる」

というスタイルでやっています。

つまり、戦略Aの150万は完全に戦略A用で、

その資金を絶対に戦略Bには使わないようにする、というイメージですね〜。

そしてやはりといいますか、

普通に考えるとバックテスト結果が優秀な戦略Aの成績がよくなりそうに見えますが、

システムトレードでは、

実は戦略A、戦略B、戦略Cのどれの将来的な成績が最も良くなるかは分からないものです（ぇ

これはやはりといいますか、

バックテスト結果はあくまでバックテスト結果であり、

将来的にもそのロジックが通用し続けるかどうかは相場環境次第という側面もあります。

またたとえばですが、

通算利益率が低いロジックの方が、なぜか結果が出ることもよくあります苦笑

…クレイモアなどがまさにそうですね笑

これは理屈ではない現象なのかもしれませんが、

結果が出ている理由としましては、

「そのロジックが、現在の相場に非常に合っているから」

という一語に尽きるかもしれません。

…そもそも、未来の成績が分かるのなら私もその戦略を使いたいところです笑

とはいえ、もちろん未来の成績はどうしても見えませんので、

戦略A、戦略B、戦略C

といった感じで、複数の戦略に分散し、

生き残ったものを有効活用していくような考え方が個人的なスタイルです。

私自身はバックテスト結果ももちろん無視はしませんが、

それ以上にフォワードテスト結果も重視しています。

といいますのも、

「実運用で実際に利益が出ているかどうか」

という要素はメンタル的にも大きいですが、

結果が出ているロジックに対しては信頼度もだいぶ違ってくると思います。

そういった意味でも、

個人的には過去のバックテスト結果だけを鵜呑みにせず、

フォワードで成績が良い戦略を探すために、ある程度は多くの戦略を使い、

生き残った戦略を有効活用していくという考え方が主体かもしれません。

また私自身はタイプの異なる戦略同士をポートフォリオに組み込んでいくスタイルでして、
明らかに特性の異なる戦略をポートフォリオに導入する意味としましては、

やはり

・戦略を分散することによるリスクヘッジのため
・各戦略の苦手相場を補うため
・資金量が大きくなるほど、1戦略での運用が厳しくなるため

といった理由が大きいかもしれません。

特に資金量のお話は結構重要だと思っておりまして、

1戦略をたとえば1億などで使ったとしますと、1銘柄投入額もかなりのレベルになり、間違いなくマーケットインパクトが懸念材料になってくると思われます。

こういった観点からも、戦略を分散して（つまりは最終的に銘柄も分散するという形になります）、マーケットインパクトを緩和するためにも複数の戦略を使う、といった意味合いもあります。

あとは、

「全相場を得意とする戦略は存在しない」

というのが個人的な考えです汗

やはり買いは上昇相場を得意としますし、

売りは下落相場を得意としますのが相場の本質だと考えます。

私の場合ですと、たとえば2008年のリーマンショックのような相場ですと売りで戦いたいタイプですし、

逆に2013年のような上昇相場ですと買いで戦いたいタイプです。

このように、そのときそのときの相場を得意とする戦略で戦いたいため、複数の戦略を使っているという意味合いもあります。

結論的には、

やはりといいますが、銘柄分散同様、

戦略も分散という形でリスクヘッジをしている、

という意味合いが大きいのかもしれませんね〜。