システムトレードブログ

(81)終値と終値+ATRの乖離率とは?

トレシズシストレ全般のQ&A

順張り買いでよく使う「終値と終値+ATRの乖離率」ですが、

今日はこれに関するご質問に対する回答です。

…私自身、頭がこんがらがる内容でもありますが苦笑

■終値と終値+ATRの乖離率は終値の位置に関する情報は含まれず、むしろボラティリティー関係の指標のように思われますが、「終値と終値+ATRの乖離率の値が大きいほど、その銘柄は直近の値動きよりも下の位置にいると考えられる」というのはなぜでしょうか?

これは、以下の記事に関するご質問ですね。

よくあるご質問と回答(29)
https://www.torezista.com/blog/blog_921/

まず、2330 SmartEbook.comを実例に挙げてみます。

10/21 ATR(5日):63.40 終値:317 終値と終値+ATRの乖離率(5日):20.00%
10/22 ATR(5日):69.40 終値:385 終値と終値+ATRの乖離率(5日):18.03%
10/23 ATR(5日):78.80 終値:350 終値と終値+ATRの乖離率(5日):22.51%
10/24 ATR(5日):88.80 終値:284 終値と終値+ATRの乖離率(5日):31.27%

終値と終値+ATRの乖離率とはボラティリティ主体の考え方となります。

(284+88.80−284)÷284×100
=88.80÷284×100
=31.27%

『終値と終値+ATRの乖離率の値が大きいほど、「その銘柄は直近の値動きよりも下の位置にいると考えられる」』という文章が悪かったかもしれませんが、

正確には以下のような感じかもしれません。

(1)終値と終値+ATRの乖離率(5日)の値がまず最初に大きくなるのは、まず上げにしろ下げにしろ、個別銘柄のボラティリティが増えた時(これをまず最初の5日間単位で考えます。そのため、最初の5日間は終値と終値+ATRの乖離率(5日)の値は増え続ける場合が多いです。)
 ↓
(2)そして、その銘柄が一辺倒に同じ幅で上がっている時、もしくは一辺倒に同じ幅で下がっている時には、終値と終値+ATRの乖離率(5日)の値は、横這いが、若干減る場合が多くなります。これは、直近と同じ動きをしている状態だと考えます。
 ↓
(3)そして、その銘柄が急激に押した際などに、終値と終値+ATRの乖離率(5日)の値が大きくなります。つまり、上記『終値と終値+ATRの乖離率の値が大きいほど、「その銘柄は直近の値動きよりも下の位置にいると考えられる」』というのは、この(3)の箇所を指しているわけです。このように、終値と終値+ATRの乖離率(5日)は、ボラが大きい銘柄が、直近の値動きよりも押した瞬間などを狙う指標となります。

たとえばチャート上方の銘柄を狙う順張り買い戦略の場合ですと、優先順がたとえば終値と終値+ATRの乖離率(5日)が大きい順になっている場合もあるかと思います。
上記例ですと、(1)のようなボラが増え始めた際の初動では、終値と終値+ATRの乖離率(5日)はそこまで大きな値ではない場合が多くなります。
といいますのも、暴騰を開始した初日の場合、それまでの4日間はそこまで動いていないと考えられますので、ATR(5日)の値はそこまで大きくない場合が多いと考えられるためです。
一般的には、直近の2330 SmartEbook.comのような暴騰銘柄が押した際、という場合の方が、終値と終値+ATRの乖離率(5日)の値が大きくなりやすくなります。

11月現在ですと、ファーマフーズや東洋合成あたりもこの値が結構大きいのではないかとは推測されます。

こういった意味で、
「順張り買い戦略の場合、暴騰銘柄が押した際、つまりは直近の値動きより下にいる場合に終値と終値+ATRの乖離率(5日)の値は大きくなる場合が多い」
ということにつながってくるかと思います。

以上のような感じではありますが、

終値と終値+ATRの乖離率は個人的には、

「強い推移をしている銘柄の、押し目的な位置を狙う指標」

といった感じかもしれませんね〜。

陽線がずっと続いて暴騰しているような銘柄は急落が恐いですし、

たとえば先日2014年11月14日の4564オンコセラピー・サイエンスの場合ですと、

前日ストップ高の後、

高寄りから大陰線を付ける形で売り物をこなす形になりました。

ただ、その翌日以降は普通に上げていますよね。

個人的にはこの

「売りものをこなす」

という行程が大事だと思っておりまして、

「陰線銘柄は、陽線銘柄に比べて当日に売り物を吸収しているため、翌日の売り数量が抑えられやすい」

という点がメリットではないか、と考えております。

そして、

「どれだけ売り物を吸収しているか?」

というのを判断するのが、

ある意味この

「終値と終値+ATRの乖離率の大きさ」

なのかもしれない、とは考えております。

もちろん値が大きいほど売り物をこなしているのではないか、

とは考えられます。

トレシズの「シストレ全般のQ&A」の記事

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