アップティックルールについて考える
今日はご依頼をいただきましたので、
「金融商品取引法施行令による価格規制」について書かせていただきたいと思います。
これは要するに売りにおきまして、51単元以上の信用新規売り注文を、直近の株価以下で発注することができないという決まりですね。
違反すると口座の停止や、下手すると罰金などの可能性もありますため軽く見られるお話ではありませんが汗
ただ、私の戦略のユーザー様の場合、あまりアラートを見る機会はないと思います。
これは、多くの戦略で1銘柄の下限が25万円近辺に設定されておりますため、
51単元以上の売りシグナルを目にする機会がほぼないためですね〜苦笑
たとえばですが、ヤフーで単元価格ランキングを見ますと、
http://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=7&mk=1&tm=d&vl=a
上場廃止のクレスト・インベストメンツの15円から始まり、
250,000÷50=5,000円ということになりますため、69位のNFKホールディングスの単元5,000円あたりまでが可能性がある銘柄ということになります。
単元価格が小さい=下限である25万円にかなり近いシグナルが出やすい
ということになりますので、この価格帯以降でアップティックに引っかかるものは非常に少ないと思います。
NFKホールディングス自体売れないですし、この単元価格下位ランキングを見て気付きますのは、やはり
「単元価格が低い銘柄は、売れる銘柄が非常に少ない」
ということですね〜。
まして、販売戦略には1億や5億などの売買代金制限がありますので、売れる銘柄はさらに限られます。
見た感じで可能性があるのは、1720東急建設の単元1,500円、8473SBIの5,120円ぐらいでしょうか。SBIの方はたまにシグナルが出る銘柄でもあるので、この銘柄は特に注意が必要かもしれませんね〜。
とはいえ、注意とはいっても50株にすればいいだけのお話ですので、あまり影響はないお話といえるかもしれませんが笑
私自身が集中投資よりも銘柄分散を推奨している理由としましても、このような空売り規制が一因となっているともいえますね〜。
戦略のアップティックルール対策としましては、以下が有効です。
■戦略のアップティックルール対策
(1)最適分散投資で、「オプション」→「仕掛け単元株制限を指定する。」にチェックを入れる。
(2)単元制限を、「50単元株を上限」と設定する
以上で完了で、
売れない銘柄の場合はもちろんどうしようもないですが、アップティックルールによる規制に引っかかることはなくなると思います。
また、上記はあくまで「売り戦略」のお話で、買い戦略には一切必要はありません。
標準ファイルは以上の対策で十分だと思いますが、
ユーザー様より時々、
「一銘柄の投入額を上げた場合のアップティックルール対策」
のご質問をいただく場合があります。
個人的には売り戦略の場合、
一銘柄の投入額を上げた場合にはシストレ戦略というよりも日本の法律に引っかかる懸念があるため非常に難しいところがあると考えておりまして苦笑、
基本的にはアップティックルールを遵守するのが無難だと思っております。
■アップティックルール
・直近株価以下での株価での51単元以上の空売りを行ってはいけない(成行含む)
・ただし、株価が上昇している場合の、同値での空売りはOK
・直近株価より上での指値による空売りはOK
基本的に売りで1銘柄の投入額を上げ、アップティックルールを遵守するためには、
51単元を越える銘柄に限り、寄り付きでザラ場の動向を見ながら仕掛ける必要があると思いますね〜。
要するに成行は避け、基本は上の値段、株価が1円でも上昇している場合には同値で売ればいいわけです。
(+5%で売りなど、上の指値に設定する手法もありますが、寄り付きの株価が+5%より上であればアップティックに引っかかるため完全ではありません。)
もしくは別な対策としましては、
「連続注文とみなされないようにすること」
が大事だと聞いたことがあります。
つまりは、25単元で、30分以上の間隔をあけて二回注文するなどの手法ですね(コラ
(証券会社を分けたとしても同じです。)
もちろんこれはグレーゾーンなお話ですので個人的にも推奨とはいえませんので、あくまで聞いた話程度にとどめておいていただければ幸いです汗
とはいえ、私を含めましてあくまでシステムトレーダーであり、該当銘柄の売り崩しなどを意図しているわけでもないですので、
一律にアップティックルールを適用されるのはいかがなものかと思うところもあるのですが苦笑
以上のように結構面倒ですので、
個人的には、資金を増やした場合には1銘柄の投入額はそのままに、分散数を増やすカスタマイズをおすすめしたいところですね〜笑
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