戦略開発方法を学ぶシリーズ(7)
だいぶ間があいてしまいましたが、今日は仕掛けの第2弾として、執行条件について書いてみます。
基本的な執行条件の種類としましては、
成行・指値・寄指・不成(もしくは引成)・逆指値
の5種類が代表的なものだと思います。
これらはどれが正しいというわけではなく、戦略のイメージや好みで決める要素だと思いますが、
今日も個人的な思い込みで書いてみたいと思います(ぇ
まず、執行条件は、保有期間が短い戦略ほど重要で、保有期間が長い戦略ほど無視できる要素だと思っていますね〜。
たとえば1ヶ月持ち越すような中長期戦略ではどの執行方法でも結果には大差がないと思いますし、
こういった戦略では、私の場合ですと迷わず成行を使います。
逆に、デイトレードのような短期戦略の場合は結構シビアで、
成行・指値・寄指・逆指値のいずれかを戦略の用途に応じて使い分ける感じですね〜。(不成はデイトレードでは使わないため除外します。)
以下に、各執行条件の特徴を書いてみたいと思います。
■成行
・たいてい約定する、最もトレード回数が多くなる方式
・トレード回数が多いためリスクも高いが、資金効率も高い
・寄りは板が厚いため、寄成はマーケットインパクト面では逆指値や引成に比べて優位性がある
・スイングでは特に有用だと考えています。
■指値
・約定率は上記の中では低い
・何より、買値(売値)を指定できるため損益を計算しやすい点が利点
・買いの場合、前日終値+3%などプラスの値で指すことにより、寄りから暴騰した銘柄に仕掛けることを避けることが可能
・一般的には、下落トレンドに強く、上昇トレンドでは約定率が減る場合が多い
・個人的には実は一番好きな執行条件だったりします笑
■寄指
・指値の値にもよるが、基本的には約定率は上記5つの中でも低い部類
・前日よりも安く(高く)寄った銘柄のみを売買対象にできる
・寄った後に注文そのものが失効するため、約定しなかった銘柄はその後動向を無視できる点がメリット
■不成
・指値で約定しなかった場合に引成で仕掛ける手法で、約定率は成行の次に高い(これは指値の値にもよります。)
・引けは板が寄りに比べて薄いため販売戦略では売買代金を結構上げないと厳しいが、個人用途では結構面白い戦略が作れる場合が多い
・指値に比べると、不成は通算利益率が落ちやすい
・下落トレンドでは、約定率が高い不成は不利な場合が多い
・B・N・F氏の手法を真似るならこれですね笑
■逆指値
・使い方次第では最も便利な執行方法で、主に順張り、もしくは損切りで使われる場合が多い
・下落トレンドでのDDを抑えやすい
・スリッページが必ず発生する点がデメリット
・スリッページを抑えるためにある程度売買代金制限を上げる必要がある場合が多い
特に難しいのは逆指値だと思っておりまして、
たとえば逆指値で「501円以上になったら買い」という戦略があったとします。
100000 502
200000 501
500 300000
という板の状況だったとしまして、500円という節目を超えた瞬間ですので、たいていの場合501円の板が食われるのはあっという間です。
私が今まで見てきた限りでは、大口が節目超えで一気に200000株を買ってしまう場合が多いような気がします。
そして証券会社による逆指値はワンテンポ遅れて発動しますので、計算上は501円で買えるはずだったのに、
実際には502円で約定するというスリッページが発生しやすくなります。
そのため、検証時にはこの誤差分の負荷をかける必要があるかもしれませんね〜。
逆指値では売買手数料負荷の他に、スリッページ負荷、仕掛け当日の売買代金の大きさも考慮しなければならないという点が一番の難点だと思っています苦笑
ただ逆にいいますと、それさえクリアできれば逆指値は最も自由度が高い執行条件とはいえるかもしれませんね〜。
トレシズ戦略でもいずれ逆指値を使った戦略が出るかもしれません。(…実は、ヒノカグでも構想があったりするのですが(ぇ
なお、逆指値については販売戦略的な視点が入ってしまいましたが、個人用途ですと普通に逆指値は使えますし、スリッページもそこまで大きくない場合がほとんどかもしれませんね〜。
販売戦略ではマーケットインパクトを特に考慮しなくてはならないため、個人的には不成等は特に避ける傾向にありますが、
個人用途としましては、上記5つの執行条件はどれが優れているというわけではなく、やはり用途やお好みに応じて選ぶ必要があるとは思いますね〜。
個人的には不成戦略も作ってみたいと思っていたりします笑
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