シストレ駆け出しの頃にはまる罠(17) 資金量によるシストレ運用への影響とは?
今日はひさしぶりにシストレ駆け出しの頃にはまる罠シリーズ(17)
「資金量によるシストレ運用への影響とは?」
を書いてみたいと思います。
たとえばシストレ戦略において、資金量に応じた最適分散投資ファイルも50万〜500万と幅広い場合がありますが、
一般的には、資金量が小さいほど仕掛ける銘柄数が少なく、資金量が多いほど仕掛ける銘柄数が多い傾向にあります。
これは、株には単元というものがあり、どうしても資金が小さい場合には買えない銘柄が出てしまう影響によるものであり、
また1単元でもVテクなどのように高額なものの場合には低資金では仕掛けることができません。
そういった影響で低資金になればなるほどシグナル数が減っていくのはやむをえないことですが、
その一方、
「だったら低資金でも買える銘柄のみを選別し、数万円などで分散すればシグナル数は増えるんじゃないか?」
といった考え方もあると思うのですが、1銘柄に仕掛ける金額を小さくしすぎた場合、今度は「売買手数料の高さ」が大きくのしかかってきます。
一般的に、
「大口顧客ほど売買手数料面で優遇される」
傾向にありますため、1銘柄あたりの投資金額が大きければ大きいほど売買手数料の割合は無視できるレベルになり、1銘柄あたりの投資金額が小さければ小さいほど売買手数料の割合が大きくなるためシストレ的にも大きな負担になってしまいます。
そのため、シストレにおける1銘柄あたりの投資金額は、資金量に関わらず10万円以上など、ある程度の金額に設定するのが無難だといえます。
ここで気になるのは
「低資金の場合と高資金の場合の運用結果の差」
ですが、
少々個人的な考え込みで、結論から申し上げますと、
「高資金で多くの銘柄に分散する戦略の方が、より一層戦略本来の成績に近づくのが早い」
という風に考えています。
たとえば、日々のシグナルが20銘柄程度出る戦略で、
・資金500万円で10銘柄に分散投資する場合
・資金100万円で4銘柄に分散投資する場合
を比べてみますと、
100万円の方は20銘柄中4銘柄しか仕掛けることができないため、確率の偏りによっては日によってその戦略本来のパフォーマンスを発揮できない場合もあるかもしれません。
その一方、500万円の方は20銘柄中10銘柄と半分仕掛けることができるため、完全ではありませんがその戦略本来の成績に近づく可能性が高くなります。
「だとすると、シストレは高資金で行わなければならないのだろうか?」
といった疑問も出てくると思いますが、これはそういうことでもありません。
上記はあくまで1日単位でのお話ですが、運用を続けるにつれてトレード回数も増えていくため、もっと長いスパンで見れば、低資金の場合でも戦略そのものの成績に近づいていくという考え方が一般的だと考えております。
ただその一方、仕掛ける銘柄が少ない方が偏りも大きくなるため、
日々の運用結果は荒くなりやすいとお考えいただくのがいいのかもしれませんね。
この日々の運用結果が荒くなった場合の1つの指針として、
・バックテスト段階の期待値
・バックテスト段階の全取引一覧
をご覧いただくのが一番いいかもしれません。
バックテスト段階の期待値が維持できている場合や、バックテスト段階の全取引一覧で直近の成績がプラスになっている場合には、
私の場合ですと、その戦略の成績は落ちていないと考えます。
「全体的にはプラスになっているから、今回は単なる最適分散投資の際の銘柄の選別の偏り」
という風に考える感じですね。
バックテスト段階でプラスになる取引がなければ、最適分散投資ファイルをどんなにカスタマイズしてもプラスにはなりません。
そのため、
「バックテスト段階における期待値や直近の成績」
は、シストレの根本としてはもちろん、精神的なよりどころとしても非常に支えになる部分だと思っています。
どうしても未来の結果は見えないため、この最適分散投資方法というものは非常に難しいのですが、
カスタマイズにより将来的な成績が向上する場合ももちろんありますので、是非いろいろ試してみてくださいね。
資金が大きい方の場合、たとえば500万円用最適分散投資ファイルの1銘柄の投資金額下限を下げることにより日々の投資銘柄数が増えますので、
利回りは落ちますが、
・より一層戦略本来の能力に近づける点
・リスク管理という意味ではプラスに作用する点
などがメリットになると考えております。
ちなみに上記のような偏りを避けるために一番いい方法は、
「圧倒的な資金を用意して全シグナルに仕掛ける」
という方法ですが、現実的にはそうできないのがなんとも悩ましいところです苦笑
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