システムトレードブログ

シストレ駆け出しの頃にはまる罠(36) リスク量を把握することが大事

今回は比較的早い罠シリーズです笑

今日のテーマは、

「リスク量を把握することが大事」

についてです。

まず、システムトレードでは、

・低資金ほどリスクが高い
・高資金ほどリスクが低い

という根本があります。

これはどういうことかといいますと、

たとえば1トレードで−5万の損失が発生したとします。

この際に、

・シストレの総資金100万であれば総資金に対して−5%という大ダメージ
・シストレの総資金1000万であれば総資金に対して−0.5%という小ダメージ

といったイメージになります。

総資金1000万であれば、

−0.5%程度くらっても、即退場ということになりませんよね。

総資金100万などの低資金は、

「根本的に退場リスクが高い」

これがどうやっても避けられない根本、

だとは言えるかもしれません。

だとしたら、

「低資金の場合には、どうやって退場リスクを減らせばいいのか?」

という点を考えますと、

まずは「総資金に対して−5%の損失」という項目を見てください。

それはちょっと大きすぎじゃないか?

ということです苦笑

もちろん、天変地異や、世界情勢不安、個別銘柄のとんでもない悪材料などの時に、

1トレード単位で大きな損失が出るのは避けられないことです。

これは普通は避けられません苦笑

そうではなく、普通の相場で、

低資金でしょっちゅうこのレベルの損失が出るというのは、

おそらくですが

「リスクの取りすぎ」

が原因です。

まずは、使っている戦略の過去取引一覧を見るのがおすすめです。

たとえばですが、

「ほう、+12万レベルのプラスの取引が結構ある。これは儲かりそうだな」

という印象を持たれる場合もあるかもしれません。

でも、ここでちょっと考えてみてください。

「+12万となる取引があるということは、その逆もあるんじゃないか?」

ということを。

たとえばですが、

1銘柄投入額40万円で+12万の利益が出るということは、+30%のトレードです。

+30%ぐらいは実際シストレではそれなりにあるレベルの利益ですが、

逆に言いますと、手仕舞い条件にもよりますが、

「その戦略では−30%ぐらいの1トレード単位の損失も起こりうる」

と考えるのが普通です。

「40万円で−30%、つまりは−12万の損失に耐えられるかどうか?」

ももちろん考えなくてはなりません。

総資金1000万だったら極端なダメージではないですが、

総資金100万だったら結構成績に影響を与えるダメージになります。

「総資金に応じてとれるリスク量は違う」

この点がシステムトレードでは大事になってくると考えております。

2014年1月〜4月は、普通は結構厳しい相場だったと思います。

DDもある意味必然、という相場だったかもしれません苦笑

ただ、2014年5月後半〜9月は悪くない相場です。

2014年1月〜5月前半のDDをひたすら耐え抜いたシステムトレーダーの方ですと、

2014年7月あたりにDDから回復し、

2014年8月以降にプラスに転じている、

などといった事例も少なくありません。

この間に停止されてしまった方の場合ですと、

5月後半以降のリバウンドの恩恵にあずかれなかったわけです。

システムトレード初心者の方の場合ですと特に、

・戦略を購入
 ↓
・開始直後に大きなDDが発生
 ↓
・結果が出ないからその戦略は停止し、別戦略を購入
 ↓
・またしても大きなDDが発生
 ↓
・以上を繰り返して、「システムトレードはどうやればいいのか?」が分からなくなる

こういった無限ループに陥りやすいものです苦笑

…私自身も、シストレ駆け出しの頃には特に上記のような経験があります汗

ただ、今まで私自身シストレを続けてきました経験上、

上記どの項目に問題があるかといいますと、

「大きなDDが発生」

の箇所に特に問題があると考えます。

3.11のような天変地異の際などやむをえない事象はしょうがないですが、

それ以外の時、

「1銘柄投入額等を含めて、リスクを取りすぎていなかったか?」
「運用開始前に、負け額等の想定をちゃんと行ったか?」

などをちゃんと考えたかどうかが重要だと思います。

2014年1月〜5月前半は非常に厳しい相場だったと思いましたが、

この際に運用停止まで追い込まれたという際には、

「運用リスクがご自身の許容リスクを超えていた」

とは言えるかもしれません。

個人的な考えですと、

やはりといいますか、

「戦略には、得意相場と不得意相場がある」

というのが本質だと思っております。

不得意相場で利益を出そうと思っても、

それはなかなか難しいことです。

もちろん得意相場がいつくるかというのは分かりませんが、

戦略の調子が良くなってきたら、それは得意相場ということになりますので、

本当に大事なのは、

「不得意相場で、いかにリスクを許容範囲内におさめるかどうか」

という点だと思っております。

不得意相場を許容範囲内のDDで乗り切ることができれば、

得意相場がくれば盛り返すのはそこまで難しいことではありません。

不得意相場で停止に追い込まれるというのは、

やはりといいますか「リスクの取りすぎではないのか?」という点を、

チェックされるのが無難ではないか、と思っております汗

リスクを抑えるのに有効なのはやはり、

・戦略あたりの総資金を減らす
・そして特に大きいのが、やはりといいますか1銘柄投入額を落とすこと

あたりです。

リスク量と損益率はやはりといいますか比例します。

「大きな利益を目指すということは、大きなリスクをとっているということ」

これを認識する必要があります。

総資金が小さいうちは特に、

大きなリスクをとりますと、

大きなリターンを狙っている一方、

運用停止に追い込まれる可能性もあるという認識が必要だと思います。

システムトレードではやはりといいますか、

ドローダウンは絶対避けられません。

ドローダウンを乗り越えてこそ利益が出るのがシステムトレードだと思っております。

そのためですが、

ドローダウンが起きて継続が厳しくなった際に、

「この戦略はダメだ、他の戦略に乗り換えよう」

と考える前に、

まずは、

「ドローダウンが発生して継続が厳しくなった際に、ご自身がとっていたリスク量」

これを考えてみてください。

もちろん、

戦略そのもののロジックが機能していないような事例も、

あるといえばあるのですが苦笑

とはいえ、

システムトレード戦略は、いい地合と悪い地合の両方を見て初めて評価できるものだと思っております。

「最低でも数か月レベルは耐えきれるぐらいのリスク量に抑える」

これが個人的には結構おすすめですね〜。

最低でも、

「単利運用四半期の過去最大DD」

ぐらいには耐えきれるぐらいの設定が個人的には好みです。

ただ、ポートフォリオ内に足りないタイプの戦略がある場合には、

苦手相場などの弱点を補強する意味でも、

タイプの違う戦略を追加していくようなスタイルはもちろんありだと思います。

トレシズの「シストレ駆け出しの頃にはまる罠」の記事

前々記事:シストレ駆け出しの頃にはまる罠(34) 1戦略を過信してはいけない
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