シストレ駆け出しの頃にはまる罠(4) パラメータの調整方法について
今日はシリーズ第4弾、「パラメータの調整方法について」です。
個人的には3回あたりでネタが尽きるのでは?と思っていたシリーズ連載ですが、なんとか持ってますね笑
なるべくシステムトレードにおいて重要な項目を書いていけたらいいな、って思っています。
よく知人から聞かれるのが、
「ストキャスは9日間の集計がいいの?それとも8日間の集計がいいの?」
といった質問です。
こういった質問には既に決めている答えがありまして、
「どちらでも問題ない、自分に合った方を使うべき」
といった感じで答えるようにしています。
といいますのも、上記の例ですと、9日間でも8日間でも大差ないですし、おそらくどちらかの期待値が高く、そしてもう一方は期待値が低くなりシグナル数が増える、程度の差しかありません。
どちらが上かというよりは、「どちらが自分に合っているか」といった部分で考えると結論が出てくる要素だと思っています。
たとえば逆張りでよく使われる「移動平均乖離率」を例に上げた場合、
「お、乖離率(5日)から乖離率(3日)に変更したら成績が良くなった、だったら3日にしよう」
という考え方もありなのですが、個人的には、
「なぜ5日から3日に変更したら成績が良くなったのか?」
を理論的に考えることが大事だと思っています。
一般的に5日から3日に変更したということは、
「より一層直近の動きに対して敏感に反応するようにした」
ことを意味しますので、この場合ですと「より短期の運用の場合のカスタマイズには効果的な変更である」と考えられます。
このように、
・順張りなのか、逆張りなのか
・短期運用なのか、中期運用なのか
・自分の資金の大きさだと、どういった投資方法に向いているのか
などを総合的に考えると、どういったカスタマイズ方法がいいのか、自然に見えてくる部分も多いと思っています。
今日はシストレ初心者の方向けに、指標等のカスタマイズ方法についてのおすすめ方法を記してみたいと思います。
■数値の調整は、おおざっぱに!
たとえば上記の移動平均乖離率の場合、-5%、-6%、と小刻みに調整するのではなく、-5%、-15%、-25%、といった感じでおおざっぱに調整していくと、時間効率が上がります。
もし効果がありそうな数値が発見できた場合、より細かく調整されるといいと思います。
■自分の得意な指標を作る
必ずしも全部の指標を覚える必要はなく、たとえば移動平均なら移動平均を徹底的に極める、といった方法もありだと思っています。
指標ごとの特性や、バランス、実際の株価に沿った指標の動き、などを理解していくと、自ずと新しい戦略のアイデアが浮かびやすくなります。
■1つの指標でシグナル数を絞り込むのではなく、2、3個の指標でシグナル数を絞り込む
最近はもはやシステムトレードがだいぶ広まってきたせいか、1つの指標のみで有効に機能する戦略というのは数少ないと思います(ただ、日経平均先物などはこの限りではありませんが)。
たとえば移動平均乖離率など1つの指標のみで過去10年間のシグナル数を10,000回以下などに絞り込むのではなく、複数の指標を用いて絞り込むようにすると、より一層戦略を作りやすくなると思います。(ただ、条件が多すぎても過剰最適化になってしまうため、多すぎず、少なすぎず、といったバランスがいいですね。)
※もちろん、1つの指標のみで機能する戦略が作れれば、それがベストです。
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