保有日数と期待値の関連性
ブログではよく、
「取引回数と期待値は反比例する」
と書かせていただいております。
これは分かりやすくいいますと、
「取引回数が多いロジックは、緩い条件で仕掛けていることと同義のため、1トレードあたりの期待値は落ちる」
ということですね〜。
それでは、保有日数と期待値はどういう関連性があるのかといいますと、
「トレンドにもよりますが、一般的には保有日数ある程度長いほど期待値は伸びやすい」
という法則性があると思います(ぇ
これは特に上昇トレンド時の期待値MAPをご覧いただくと分かりやすいとは思います。
■期待値MAP(上昇トレンド)
http://toresyz.blog.fc2.com/blog-entry-415.html
特に、「上昇トレンド:買い・順張り(仕掛けの早さ:普通)」の場合、
移動平均乖離率(終値)(25日)が-10%〜+20%の場合ですと
保有日数25日の場合ですと期待値が1%超と最も高くなっています。
「だとしたら、シストレ戦略も常に中期保有にしてしまえばいいのではないだろうか?」
と思われるかもしれません。
ただ一方、シストレ戦略では中長期戦略というものはほぼないと言っても過言ではありません。
これはなぜか?といいますと、
2点ほど理由があると考えられます。
(1)中長期戦略の場合、余力を自由に使えないため、取引回数がだいぶ減ってしまい、その影響で通算利益率が落ちてしまうため
たとえばですが、総資金150万で買い戦略を運用していたとします。
そして、銘柄Aに50万仕掛けたとします。
その銘柄Aは25日ほどは持ち越すことになりますので、
日々自由に仕掛けられる金額は100万にまで落ちてしまいます。
このように、
「余力を食われるため、取引回数がだいぶ落ちる」
という点が中長期戦略の弱点ともいえます。
シストレ戦略の能力は
「取引回数×期待値」
だと仮定しますと、
期待値がどれだけ高くても、取引回数が少なければ能力は落ちると考えられます。
中長期戦略の場合、特に取引回数が減ってしまうので、
過去の通算利益率は短期戦略に比べて落ちやすいという特徴があると思っています。
(2)中長期戦略ほどドローダウンが大きくなりやすい
バックテスト段階で期待値3%の中長期戦略ができて、
「おっ?」
と思う場合もあるかもしれません。
…これは私自身の経験でもあるのですが苦笑
ただ、年度毎の期待値を見てみますと、
2005年 +10%
2006年 −3%
2008年 −8%
2011年 −4%
2013年 +15%
といった感じで、
ばらつく場合が多いのが中長期戦略なんですよね苦笑
上記例ですと、
期待値3%の大半を上昇トレンドである2003年〜2005年、2013年などに確保していて、
あとの年は結構負けている、
などといったことも少なくありません。
つまりですが、
「中長期の買い戦略というものは、特に下落トレンドに耐えきる必要がある」
という点で短期戦略に比べて難解なわけです。
といいますのも、
中長期保有していますので、
下落トレンドに巻き込まれたら必然的にDDになる可能性が高いためですね〜汗
短期戦略はすぐに保有を離してしまいますので、
中長期戦略に比べますと多少は地合の影響が抑えられると思います。
これは、デイトレード戦略は比較的地合の影響を受けにくいというのが顕著な例ですね。
以上のような感じで、
保有日数の調整はなかなか難しい、
というのが個人的な印象ではあります苦笑
中長期戦略の開発は本気で難解ですが、
一応はトレンド判定フィルターもありますし、
いずれはチャレンジしてみたいところですね〜。
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