(4)順張りと逆張りは今後どちらが機能しますか?
今日は、よくあるご質問と回答シリーズの続編を書きたいと思います。
■今後のシストレにおいて、順張りと逆張りはどちらが機能すると思いますか?
非常に難しい話ですが、個人的には東証のシステムに大きな変革が起きない限りは、どちらも機能すると思っています。
大きな変革というのはたとえば、
・値幅制限の撤廃
・サーキットブレーカーの撤廃
などが一番影響が大きいのではと読みます。
値幅制限が撤廃されればストップ高・ストップ安が事実上なくなるため、今まで以上に1銘柄の投資上限や1日の投資上限をコントロールする必要があったり、仕掛けタイミング・損切りタイミングに今まで以上にシビアになる必要があるといえます。
サーキットブレーカーとは日経平均先物の急上昇時や暴落時などの急変動時に、一定の価格を超えて上昇(下降)した場合に、取引を一定時間中止する投資家保護の仕組みですが、これが撤廃ということになると、「より一層買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶ」ことになると考えられます。こちらの場合も、値幅制限の撤廃時と同様、いろいろと考える必要が出てくるかもしれませんね。
順張り:トレンドに従って素直に仕掛ける手法
逆張り:株価の移動平均線への回帰性を利用して、一定のタイミングで逆に仕掛ける手法
というのが私の認識ですが、どちらの手法も通用しなくなることはないと考えています。
上記変革が起きればより一層日本の市場がアメリカ的になると考えられます。
アメリカでは順張りが主流といわれますが、決して逆張りがないわけではありません。
また、シストレと長期投資の手法の差はありますが、かのウォーレン・バフェットですらも逆張りです。それでいてあの驚異的な利益率ですから、シストレで同じことを実現することも不可能ではないと事実上証明されているわけです。
もちろん、ロジックなどを調整する必要はありますが、順張り・逆張りともに永続性がある手法であり、あとは単純な好みの問題だと思っています。
■上昇相場では一般的に売り戦略は不調なものでしょうか?また、今好調な売り戦略はありますか?
そうですね、暴落時の買いが厳しいのと同じように、一般的には上昇トレンドにおける売り戦略は下落トレンド時に比べて厳しいといえます。
たとえば私の場合には、「上昇トレンドにおける売り戦略はあくまでリスクヘッジ用であり、メイン戦略ではない」という位置付けです。
過去の経験上、いつ下落が始まるか分からないため、リスク分散のために売り戦略も運用するという意味合いですね。そのため、上昇が続くような相場では、売り戦略で利益が出ないのはやむなしと考えています。(これは逆に言うと、暴落相場で買い戦略で利益が出ないのはやむなしともいえます。)
ただそれでも私は実運用に売り戦略を含めておりますが、これはあくまで私自身の考えであり、ユーザー様側的に上昇トレンド中に売り戦略を運用するかどうかは自由な話だと考えております。
選択肢としましては、
・買い売り戦略を通常通り運用する
・上昇トレンド中は売り戦略を一時停止し、明らかに上昇トレンドが崩れてきたら売り戦略の運用を再開する
・明確な上昇トレンド時は買い戦略の比重を増やし、売り戦略のロットを減らす
などがあり、これはやはりお好みで判断いただくより他にありません。
シストレの一番難しいところは、未来の結果が分からないためどうしてもどの戦略が将来的に成績がよく、どの戦略が悪いかが分からない点です。本当は私の戦略を運用していただいている方には全て勝ってほしいというのが本音ですが、どうしても未来の相場で結果をみるしかないのが難しいところです汗
そのため、シストレ駆け出しの頃にはまる罠シリーズに書いておりますとおり、ユーザー様側的に一番大事なのは、「ご自身のリスク管理」です。
運用中の戦略で、たとえば過去の最大DDの1倍・または1.5倍のドローダウンに到達したら戦略運用を停止するなど、明確な運用ルールを事前に決めておくことを推奨させていただいております。
少なくとも運用ルールが明確であれば、ドローダウンで悩むことは減るでしょうし、ルール内で上下している限りは機械的にシストレ運用が行えるのではないかな、と思いますね。
この1月19日時点で売り戦略の中で成績がいいのはグランショート_ma1です。
先月などはドローダウン中でしたが、1月は+5万、今のところ反発の兆しを見せていますね。グランショート_ma1についてはポートフォリオに含めるかどうか以前から悩んでおりますが、フォワード結果も悪くないため追加も検討していたりしますね。
グランショート_ma1
https://www.torezista.com/strategy/detail/46/
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