買い戦略の仕掛けを遅らせる方法
買い戦略の仕掛け位置は、大別しますと
・仕掛けが早いもの
・仕掛けが普通のもの
・仕掛けが遅いもの
といった感じに分けられるかもしれません。
トレシズ戦略でいいますと、
ヒノカグ【上方ブレイク】などは比較的早仕掛けで、
ボリンジャーロング_lc1などは遅仕掛けの戦略です。
そして一般的には、
過去の通算利益率は「仕掛けが早いもの」が大きくなりやすいです。
といいますのも、
仕掛けが早い=取引機会が多い=シグナル数が稼げるため
という理屈ですね〜。
ただ一方、
早仕掛けということは比較的緩い位置でシグナルを出す形になりますため、
悪い地合の場合ですとDDが大きくなりがちです苦笑
悪い地合の場合には、遅仕掛けの戦略の方がDDが抑えられる場合も少なくありません。
ポートフォリオ内が全て早仕掛けの買い戦略で構成されてしまいますと、
もちろん2013年のような上昇相場では最高ですが、
たとえば今のような地合ですと、相乗効果で苦戦する可能性が高くなってしまいます汗
そのため、リスクヘッジの観点からも、
「仕掛けの早い戦略と遅い戦略をバランスよく組み合わせた方がいいのではないか?」
とは考えていたりしますね〜。
基本的に販売戦略は通算利益率を大きくするために早仕掛けのタイプのものが多いとは思いますが、
こういった際に、
「カスタマイズにより仕掛けを遅らせるにはどうしたらいいか?」
という点について以下に解説させていただきます。
■順張り買い戦略の場合
(1)前日終値+5%以上になったら成行で買いという逆指値戦略の場合
こういうタイプの戦略は、前日終値+10%以上になったら成行で買いという逆指値にするなど、仕掛けラインを上げるのが有効です。
(2)期間高値(高値)(10日)+iTick以上になったら成行で買いという逆指値戦略の場合
上記のようなブレイクアウト系買い戦略の場合には、期間高値(高値)(25日)+iTick以上になったら成行で買いという逆指値にするなど、期間高値の日数を増やすのが有効です。
(3)期間高値(高値)(10日)+iTick以上になったら成行で買いという逆指値戦略で、「値幅制限上限が期間高値(高値)(10日)より大きい」といった条件が入っている戦略の場合
「値幅制限上限が期間高値(高値)(10日)より大きい」という条件が意味するところは、
「シグナル銘柄を、翌日ストップ高に到達した際にブレイクアウトする可能性がある銘柄に限定する」
ということですね〜。
これは要するに約定数を増やすための条件とはいえますが、
遅仕掛けにするためには、
「値幅制限上限が期間高値(高値)(10日)より大きい」
といった条件を削除するのが有効です。
この条件を削除しますと、
「シグナル銘柄を、翌日ストップ高に到達した際にブレイクアウトする可能性がある銘柄に限定しない」
ということになりますので、
逆指値の仕掛けラインが値幅制限上限を超えるシグナル(つまり、注文しても意味がないシグナル)が発生する場合も出てくるということになります。
2013年のように地合がいい時には、ブレイクアウトする銘柄が多くなります。
一方、今のような地合ではブレイクアウトする銘柄が少なくなります。
今のような地合ですと、上記のように空振りのシグナルを取り入れますと約定数をさらに減らすことができますので、
結果的に遅仕掛けと似たニュアンスにすることが可能です。
■逆張り買い戦略の場合
(1)仕掛け条件を厳しくする
たとえば、「移動平均乖離率(終値)(25日)が−15%より小さかったら買い」という戦略の場合には、「移動平均乖離率(終値)(25日)が−25%より小さかったら買い」という風に仕掛け条件を厳しくしますと、遅仕掛けになります。
(2)前日終値−5%で買いという指値戦略の場合
こういうタイプの戦略は、前日終値−10%で買いという指値にするなど、仕掛けラインを下げるのが有効です。
(3)シグナル数フィルターを使う
特に成行で仕掛けるタイプの逆張り買い戦略では、シグナル数フィルターを使うのも有効です。シグナル数フィルターとは、要するにバックテスト段階のシグナル数がかなり増えた際のみなどに仕掛けシグナルを出す手法で、仕掛けタイミングをかなり遅らせることが可能です。
最適分散投資側のオプションにて「フィルタ設定を使う。」にチェックを入れ、
フィルタ設定にて
「戦略A(仕掛け銘柄数)が戦略A(仕掛け銘柄数の期間平均)(55日)(+1.5倍)より大きい(同じ含む)」
といった感じに設定します。
上記の意味は、
バックテスト側で直近55日間の日々のシグナルの平均が10シグナルだった場合、
15シグナル以上のシグナルがあった場合のみ仕掛けサインを出す、という意味合いです。
他にもいろいろアイデアはあるとは思いますが、
ポートフォリオ内の各戦略の仕掛けタイミングのバランスは、
確認しておいて損はないと思っています。
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