貸借銘柄は最新のものに更新すべき?
今日は、ユーザー様からお問い合わせをいただきましたので、
「売り戦略において、貸借銘柄は最新のものに更新すべきかどうか?」
について個人的な考えを書かせていただきたいと思います。
まず、貸借銘柄というものは、時々変わっていくのが困りものですね苦笑
いっそのこと全ての銘柄を貸借銘柄にして欲しいという希望が個人的にはあったりしますが(コラ、
なかなかそうもいきません。
そのため、これは売り戦略的には避けられないお話とはなってきます。
売り戦略は普通は、リリース直前の時期の貸借銘柄を使って開発されているものが多いと思います。
そのためですが、
たとえば2012年1月にリリースされた売り戦略はもちろん2012年1月頃の貸借銘柄を使って検証したストラテジーということであり、
2014年4月現在の貸借銘柄とは結構変わってきている場合が多いと思います。
そして、売り戦略におきまして、
売買対象を最新の貸借銘柄に切り替えますと、そこまで極端な変化ではない場合が多いですが、成績が変化するのは避けられないと思いますね〜。
といいますのも、
売買対象を戦略開発時のものから変えてしまっているためですね汗
これは株式分割等の影響により戦略の成績が変わったように見えてしまう点と似ています。
たとえばゴッドスプレッドでは、
https://www.torezista.com/strategy/detail/192/
戦略リリース時には、2011年7月〜10月にこんなDDはありませんでした苦笑
これは当時株価が4円程度だったクレアHDの株式併合の影響によるものでして、
株価が4円などの超低位株はもちろんゴッドスプレッドの売買対象外です。
そのため、戦略開発当時はクレアHDは過去の取引には含まれてなかったわけですね〜。
そして、ゴッドスプレッド発売以降にクレアHDは株式併合により、株価自体がゴッドスプレッドでも売買対象になる金額まで上がりました。
この影響により、
「本来は売買対象でない銘柄が、後付けで売買対象に含まれるようになってしまった」
というのが、ゴッドスプレッドの成績の変化の要因です。
3円から4円に動いただけで33%という異常な変動率ですので汗、
この銘柄が含まれてしまうというのは個人的には痛いのですが、
これは完全に後付けの話なのでやむをえないといった感じでしょうか苦笑
上記例と同じように、売り戦略におきましても、
「売買対象を最新の貸借銘柄に変更するということは、過去の売買対象を変えるということですので、成績が変化する要因になるのは間違いない」
とは覚えておかれるといいと思いますね〜。
次に、
「売り戦略の売買対象を最新の貸借銘柄に変更した際に成績が悪化する場合には、元ファイルそのままを使ったほうがいいのかどうか?」
についてです。
成績が悪化した際にどう考えるかといいますと、
以下の2つの考え方があるかもしれません。
(A)銘柄を変更したことにより、実際には過去にあり得ない売買(昔は空売りできなかったが、現在は空売れるようになった銘柄など)までカウントされるようになったと考えられるため、そういった成績悪化原因の銘柄を除外すれば過去の結果はそんなに変わらないのではないか?そのため、最新の貸借銘柄をダウンロードしても問題なし。
(B)過去成績が悪化しているので、貸借銘柄は更新せずにやるべき。
どちらが正しいかといいますと、
…どちらの考え方もありだと思っています(コラ
成績悪化の要因は、とにかく売買対象銘柄の変化が原因です。
また、保有日数が長い売り戦略では特に、
日々の保有銘柄が変わってきますと翌日の仕掛けシグナルが変わってきたりしますので、
保有日数が長い戦略ほど、売買対象銘柄が変化した際に成績に与える影響が大きくなってきます。
逆に、デイトレ戦略などは影響が比較的小さい場合が多いかもしれませんね。
成績が悪化した際には、最適分散投資の際の資金を1億などにして成績を見比べてみるといいかもしれません。
これはなぜかといいますと、
資金を大きくすれば、その戦略のほぼ全取引を網羅した結果が出ますので、
それで資産曲線の形が大きく変わっていなければ、
最新の貸借銘柄に変更しても有効性は高い、と考えられます。
逆に資産曲線の形が大きく変わるようであれば、
影響が大きすぎるので元ファイルで行った方がいいとも考えられるかもしれませんね〜。
個人的にはAとBのどちらが好きかといいますと、
(B)過去成績が悪化しているので、貸借銘柄は更新せずにやるべき。
の方が好きだったりします(ぇ
といいますのも、
「その戦略はその当時の貸借銘柄をもとに検証+開発したものだから」
という根本があるためですね〜。
新規に追加された貸借銘柄というのはその当時の検証対象にはもちろん含まれていませんので、
個人的には検証対象でなかった銘柄にシグナルを出すのにやや抵抗があるのかもしれません苦笑
とはいえ、これが必ずしも正しいというわけでもなく、
最新の貸借銘柄に変更すれば売買対象が多少なりとも変わりますので、
マーケットインパクト対策の観点からですとメリットもあると考えられます。
そのためお好みではないか、とは考えていたりするのですが、
上記の
「最適分散投資ファイルの資金を大きくして、元ファイルと成績を見比べる」
というのが、1つの有効な判断基準にはなるかもしれませんね〜。
前々記事:(41)バックテスト途中にイザナミでエラーが起きて止まってしまいます。
前の記事:売り戦略における空売れない銘柄
今の記事:貸借銘柄は最新のものに更新すべき?
次の記事:(63)よくあるご質問ランキング
次々記事:販売戦略の最適分散投資ファイルはいじった方がいいのか?いじらない方がいいのか?