戦略のDDを把握するには、単月検証が便利です。
戦略のDDを把握する際には、
「過去の年度別の最大DD」を見るのが一般的ではありますが、
もう1つの手法としましては、
「単利運用・単月(もしくは四半期、半期など)」
で検証するという手段もあります。
この設定は、最適分散投資ファイルの「運用設定」→「運用方法」で選ぶことができます。
一般的に、
販売戦略では上記設定が「単利運用・通年」になっていると思います。
ひとまず、「単利運用・通年」と「単利運用・単月」の違いについて解説いたします。
■単利運用・通年とは?
検証期間が初期設定の2000/01/04である場合、
「2000/01/04以降、損益をそのまま活用して運用した場合という前提での検証方法」
と言えるかもしれません。
具体例を挙げますと、
たとえばヒノカグ【ブースター】の場合ですと
2000/01/04以降の通算利益率が1058%ほどですので、
初期資金150万スタートで、かつスリッページや売買手数料を除外して考えますと、
現在1700万ほどになっていると考えられます。
…もちろん、販売戦略は資産曲線が右肩上がりにならなければならないのは必然ですので、
これは当たり前の話、とも言えますが苦笑
そして、単利運用・通年とはつまりは現時点ですと
「1700万持っていると仮定した場合の検証方法」
です。
ヒノカグ【ブースター】の場合ですと総資金が150万、レバレッジ1倍ですので、
もちろん150万円分以上のシグナルは出ません。
ただ、1700万持っていれば
「常に150万円分のシグナルを出すことが可能」
ですよね。
といいますのも、150万円分のシグナルを出しても、
残りの1550万ほどの現金があるという想定のためです苦笑
つまり単利運用・通年とは、
厳密にはちょっと違うのですがざっくりとした意味合いですと、
「2000/01/04以降、常にその戦略の資金設定分のシグナルを出した場合の結果」
ということです。
ヒノカグ【ブースター】の場合ですと、2000/01/04以降常に150万円分のシグナルを出した場合の結果ということです。
■単利運用・単月とは?
こちらは、
「毎月初日に資金をリセットする検証方法」
です。
たとえばですが、
5/1にヒノカグ【ブースター】150万ファイルで運用開始したとしまして、
5/10あたりでは調子が悪く、DD30万が発生して資金が120万になっていたとします。
この際には、5/10以降は120万円分以上のシグナルは出ません。
そして、6/1には再度総資金を150万に戻して検証しなおす、
こういった手法です。
単利運用・単月で検証するメリットとしましては、
たとえばですが戦略を運用開始した際に、
「運よくプラスで始まる場合」もありますが、
「普通にドローダウンから始まる場合」も多々あります。
たとえばですが、
2008年のリーマンショックの頃に買い戦略を運用開始した際には結構悲惨な目に遭うのが想像できますよね苦笑
運用開始時期というのはもちろん人によって異なります。
そのため、
「過去の調子がいい月に運用を開始したらどうなったか?」
「もしくは、過去の調子が悪かった月に運用を開始したらどうなったか?」
といった部分を検証できるのが単利運用・単月です。
2011年3月の東日本大震災時などは買いでは間違いなくDDになりますし、
私自身は、上記二つですとどちらかというと「過去の調子が悪かった月に運用を開始したらどうなったか」を重視しますね〜。
これは性格もあるのですが、
「過去の最悪時期に耐えていれば、将来的な同じような暴落にも耐えられるのではないか?」
といった考えに基づいています。
このように、単利運用・単月では
「運用開始タイミングによる成績の差」
を調べることができますので非常に便利です。
単利運用・通年のみでなく、
単利運用・単月での検証を併用することにより、
より一層戦略の停止基準を明確にできる場合もあるかもしれませんね〜。
↓ヒノカグ【ブースター】標準ファイル単利・単月の検証結果
※2014年6月1日に開始した場合にはプラスになり、2008年9月のリーマンショック時期に開始した場合にはマイナスになるということです。
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